- 2007年8月10日 10:08
- 気付き
島根県では、一般的に石州瓦と言われる赤茶色の瓦を載せた家が目立ちます。
石州瓦は、1300度の高温で焼くことによって表面にガラス質のコーティングができ、雪にも耐えうる高い耐久性を引き出しています。
ゆうに、100年200年は持つそうです。
中国地方の山間部にもこの赤茶色の瓦が良く見られますが、写真の通り周囲の緑とよく調和しています。
それは、決して色の調和という訳ではなく、自然と人の手によって生み出された物のバランスの良さにあるように思います。
自然が生み出す色彩と造形と、石州瓦がもつ光沢を持った赤茶色の屋根勾配のバランスです。
この地方の人にとっては、何てことのない見慣れた景色と材料ですが、あまり身近に見ることができない私にとっては、非常に新鮮です。
島根県芸術文化センター(設計 内藤廣)では、屋根だけでなく外壁にもこの石州瓦が使われました。
長い歴史の中で石州瓦が外壁に使われたことはなく、それは周囲との調和と高い耐久性を持つ材料として見直し、新しい命を吹き込む作業でした。
もちろん、不可能を可能にする最新の技術と長い間受け継がれてきた伝統の理解があってこその賜物です。
経済性や後継者不足などで、どんどん消え失せつつある古来からの物も、こういった最新の技術や新たな観点をプラスすることによって、さらに別の価値観を持った物として継承していけるはずです。